阿寒湖に生息する生き物について
■写真はすべて阿寒エリアで撮影されたものです。
阿寒に生息する鳥類
阿寒の森林は、バードパラダイス。クマゲラ、オオワシ、シマフクロウなどの鳥類約150種が確認されています。
エゾフクロウ
- 体長
- 約33cm
北海道の森林に生息するフクロウの亜種。
国内の他の亜種より白っぽく、
茶褐色の縦斑が広がる。留鳥
空の生物
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エゾオオアカゲラ
- 全長
- 約28cm
北海道に生息するオオアカゲラの亜種
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シマエナガ
- 体長
- 約13〜14cm
北海道に生息するエナガの亜種。
白く愛らしい姿は雪の妖精とも呼ばれる。 留鳥 -
クマゲラ
- 体長
- 約46cm
日本最大のキツツキ類で天然記念物
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シマフクロウ
- 体長
- 約70cm
- 翼開長
- 約180cm
アイヌ語名/コタンコロカムイ(村を守護する神の意味)日本最大のフクロウ類。国内では北海道のみに生息。IUCN絶滅危惧種
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オジロワシ
- 体長
- 約83〜94cm
- 翼開長
- 約199〜228cm
北海道全域の海岸や湖沼、河川で越冬する冬鳥
または留鳥。一部の個体は道東や道北で繁殖も -
オオワシ
- 体長
- 約88〜102cm
- 翼開長
- 約220~250cm
世界最大級のワシで天然記念物。
IUCN絶滅危惧Ⅱ類 -
エゾヤマセミ
- 体長
- 約38cm
山地や渓流、湖沼に生息する、ヤマセミの亜種。
留鳥
阿寒に生息する野生生物
阿寒カルデラの広大で原生的な森林には、ヒグマやエゾシカなどの大型動物をはじめ、
エゾリス、モモンガなど哺乳類9科24種が確認されています。
エゾシカ
- 体長
- オス 約90〜190cm メス 約90〜150cm
阿寒で最もポピュラーな野生動物。
日本のシカの中では最大級。昼は森林に生息。
夜間は採食のために平地に
陸の生物
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ヒグマ
- 体長
- オス 約250〜300cm メス180〜250cm
日本に生息する陸生哺乳種で最大の種。
針葉樹を中心とした森林地帯に多く生息 -
エゾモモンガ
- 体長
- オス 約16〜18cm メス 約15cm
北海道に生息するモモンガ。飛膜によって滑空する。夜行性
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エゾリス
- 体長
- 約20〜27cm
北海道に生息する好奇心旺盛なリス。
冬眠することなく真冬でも活動 -
エゾクロテン
- 体長
- 約40〜50cm
北海道に生息するクロテンの亜種。冬眠せず、森林帯の沢や川付近で活動。躯体の柔軟性が高く、木登りも得意
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キタキツネ
- 体長
- 約60〜80cm
北海道での遭遇率が最も高い野生動物。
人里にもよく現れるなど愛らしさの一方で、寄生虫を持つ個体もあるため接触は控えたい
阿寒湖の魚類と水生生物
周辺の豊かな森の保水能力によって、多くのミネラルを含んだ清らかな水が流れ込む阿寒湖。
原産のヒメマスや在来種のネイティブトラウトとして多くの釣り人を魅了するアメマス、特別天然記念物の
マリモなど魚類の既存種12種、淡水藻類259分類群などが、報告されています。
阿寒湖の生物
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阿寒湖の在来種アメマス
黄金色に輝く阿寒湖ならではの美しい魚体。多くのアングラーの憧れともいわれる阿寒湖の「ゴールデンアメマス」はイワナ属の魚。80cmを超える大物も生息している
■サケ科/イワナ属
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日本最大の淡水魚イトウ
体長1mを超える日本最大の淡水魚。現在の阿寒湖の個体は放流によるものが多いが、北海道の名付親でもある探検家、松浦武四郎の「久摺日誌」には「土地の者が四尺ほどのヲヘライベ(イトウの種)を持ってきた」との記述が残されている
■サケ科/イトウ属
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阿寒湖原生ヒメマス
阿寒湖を原産とするベニザケの陸封型で白銀の魚体と紅色の身を持つ美しくかつおいしい魚。北海道では「チップ」とも呼ばれている
■サケ科/サケ属
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ニジマス
流線形のシルバーメタリックの魚体とピンと尖ったヒレが美しく、釣り人に人気の高い阿寒湖のニジマス。外来種だが阿寒湖の豊かな生態系の中でほぼ野生化している
■サケ科/サケ属
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サクラマス
北海道の湖の中でも阿寒湖のサクラマスはサイズが大きいとされ、白銀の美しい魚体で40~50cmクラスも多く釣れる。冬の氷穴釣りも人気
■サケ科/サケ属
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ワカサギ
阿寒湖のワカサギは生涯を淡水で過ごす陸封型で、成魚の全長は10㎝前後。
冬の氷上穴釣りの対象魚として人気■キュウリウオ科/ワカサギ属
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カワシンジュガイ
パンケトーから阿寒湖へ注ぐ「イベシベツ川」に生息する北方系の淡水貝類。きれいな水でのみ生息するため、清流の証でもある
■イシガイ目/カワシンジュガイ科
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マリモ
世界的にも美しいボール状になる美しい緑色の淡水藻類。最大で直径約30cmに成長する。国の特別天然記念物
■アオミソウ科/マリモ属
阿寒の森の植物
エゾマツ、アカエゾマツをはじめとする北方常緑針葉樹と、ミズナラ、イタヤカエデ、
カツラなどの広葉樹が混生する針広混交林が広く分布する阿寒カルデラ。
標高に伴う構成種の変化や林床の植物も多種多様で高等植物の種類は約700種にも及びます。
阿寒の樹木
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アカエゾマツ
北海道を代表する針葉樹で火山岩礫地などにしばしば一斉林を形成する。
阿寒エリアでは、オンネトー東岸の純林が有名針葉樹
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トドマツ
北海道に自生するモミの仲間。エゾマツの樹形が男性的と例えられるのに対しトドマツは女性的とされる。樹高25m
針葉樹
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ミズナラ
阿寒の森で一部純林も形成している針広混交林を形づくる主要な樹木のひとつ。
樹齢300年、直径1m以上の大木も見られる広葉樹
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カツラ
様々な広葉樹が自生する阿寒の森には樹齢800年といわれるカツラの巨木も
広葉樹
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エゾマツ
大きいものでは樹高40m、幹の直径1mに達する常緑針葉高木。広葉樹やトドマツなどの針葉樹と混交して自生する
針葉樹
阿寒の草花
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ラワンブキ
高さ2〜3m、茎の直径は10cmにもなる日本最大のフキ。
オンネトーを源流とする螺湾川流域に自生 -
ミズバショウ
阿寒湖周辺では早春の森林の中で咲くことが多い多年草。遊歩道沿いに大群落地も
花期/4月〜5月
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エゾエンゴサク
春先に花をつけ広葉樹林の若芽が広がる頃から地下茎で過ごす「スプリング・エフェメラル」の一種。漢方薬に使用されることも
花期/5月〜6月
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メアカンキンバイ
1897年に雌阿寒岳で初めて採集されたことから命名されたバラ科の多年草
高山植物
花期/7月〜8月
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エゾオオサクラソウ
阿寒湖に近い林縁の至るところに群生する春の阿寒の代表的な花のひとつ
花期/5月〜6月
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ニリンソウ
湿潤な産地の林床や周辺部に生育。春の阿寒の森林に美しく咲く「スプリング・エフェメラル」のひとつ
花期/4月〜5月
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メアカンフスマ
雌阿寒岳と知床半島の高山礫地にのみ自生するナデシコ科の多年草
花期/6月〜8月